2004年1月18日日曜日

機長の危機管理―何が生死を分けるか


私の中のビジネス良書ベスト5に入る本である。


航空機関連の本で、危機に瀕した機長やパイロットが主役の英雄物語があるが、本書は全く異なるものである。




3名の機長が書いた「思わず引き込まれる教科書」とでも言おうか。
機長でなくとも、種々の判断や日頃の備えが必要なビジネスマンにも充分応用可能の考え方や方法論が満載である。



例えば、


  • 体験と経験:一過性の体験と、その積み重ねによる経験
  • 戦術思考と戦略思考:次のアクションを表から考える戦術思考と、裏目に出たときの手当てを考える戦略思考
  • スキルベース・ルールベース・ナレッジベースの管理能力:戦術から戦略への管理レベル分類
  • コミュニケーションとカンバセーション:共感・共有を目的としたコミュニケーションと目的的でないカンバセーション
  • ストローク:まさに日本語の「手当て」そのもの。肉体的・精神的な手当て。
  • フライングスキルとエアマンシップ:戦術と戦略の関係に似ている
  • セキュリティマネジメントとクラッシュコントロール:事前予防と事後処理かな

など、きちんと分類・整理・体系化した話が随所にあります。

しかも、やたらと専門用語で混乱させず、平易な言い方や具体例を挙げた説明がなされています。

それぞれの違いが分かっていない人はそれを知るためだけに読んでも損はしません。



私自身が今後仕事をしていく、生きていく上で非常に役立つと思いました。
ちょっと時間をおいてもう一度読むと、また新たな発見があると思います。



この本から得られた知見と私自身の体験・経験をふまえた話も別に書きたいと思います。


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