私がこの本のレビューをおこなうのは適切ではないかもしれない。
なぜなら、私は将棋が下手であるからである(^^;
コンピュータ将棋にもしばしば負けるレベルと言えば、その程度はおわかりだろう。
でも、将棋は好きなのである。
★三つは本書が「並」なのではなく、私自身が追いついていないことを最初にお断りしておく。
さて、本書は1990年代前半に「将棋マガジン」に連載されたものをまとめたものである。
毎月の対局の中から2局から3局を取り上げ、著者の解説や反省をおこなったものである。
ポイント毎の棋譜が示されている。
将棋音痴の私がなぜ本書を手に取ったのか?それは勝負の世界に生きていてしかも超一流のプロがどういう「視点」で分析し、考えているのかを読んでみたいと思ったからである。
結論から言うと、ある程度その目的は達成された。
まずそのうちの一つは、「各対局の勝ち負けに関する反省ではなく、各局面毎の手の善し悪しに関して考察を加えている点である。
「将棋に勝って、勝負に負けた」と言う言葉などから、勝負はあくまでも結果であるという考えが伺える。
言い方をかえると、単に「勝負に勝つ」ことを目標に置いているのではなく、「将棋を極める」ことが目標になっていることである。
敵同士で感想戦をおこなうのも、そういうことからすれば当たり前といえる。
もう一つ、天才たちも研究を怠ると全く勝てなくなるのだと言うことがわかった。
将棋の世界も日々新たな手順や定跡が生み出されており、他の対局の手順がすぐに研究され、その対策が練られている。
ひらめきの天才であるだけでは超一流には成れないところは、どの世界も一緒なのだなぁと改めて思った。
出来れば、もう少し棋力のある方による「将棋の本」としてのレビューを待ってます(^^;
0 件のコメント:
コメントを投稿