2002年8月20日火曜日

USB 1.1 vs USB 2.0 Benchmark



「USB 1.1 vs USB 2.0 Benchmark ~ Storage deviceの場合 ~」



http://his.luky.org/doc/usb-bench.html


Ver0.3 2002-08-20 Copyright(C) 2002, Hisaaki Shibata/柴田 尚明@福岡市
shibata@luky.org


LinuxでUSBインタフェースを利用して外付HDDを接続してみました。
外付HDDそのものは「USB 2.0対応」と明記されていたので、
手元のノートPC内蔵のUSB 1.1と PC card の USB 2.0 インタフェースに
接続して非常に簡単な性能比較を行なってみました。



ご意見は、
柴田までメールでお願いします。

尚、本ドキュメントは全文丸ごとであればどこへでも転載可能/リンク可能です(^^)






目次



0 .来歴・トピックス

1 .経緯

2 .関連情報/参考文献

3 .用意したhardware

4 .用意したsoftware

5 .性能測定


6 .いくつかの問題点

7 .TODO

8 .謝辞





0.来歴・トピックス


[次へ][目次へ]


2002-08-20 Ver. 0.3



  • CardBus USB2.0インタフェースカードのチップ記述追加
  • PCI USB2.0インタフェースカード経由の性能測定結果追記

2002-08-17 Ver. 0.2

  • 写真やリンク追加

2002-08-16 Ver. 0.1

  • 新規作成






1.経緯

[次へ][前へ][目次へ]


「ディスクが足りない。」この問題は、いつまでたっても付きまといます。
たとえノートPCの内蔵ディスク容量が1年毎に倍になったとしても、
何故か足りません。

私がメインで業務に利用しているノートPC Hitachi FLORA 220FX も
内蔵ディスク容量が20GBと一昔前では考えられないほどの容量になっても、
気がつくと使用率が90%を超しています。

これでは日々降り注ぐ添付ファイル付のメール豪雨を乗り切る事は出来ません(^^;



と、言う理由でUSB接続の外付HDDを購入する事にしました(^^;;

外付ケースにはどれも一長一短あったのですが、ドライブベイタイプとしても使えるものが比較的安く、しかも USB 2.0とあったので、購入してみました。



ついでと言っては何なのですが、ノートPC内蔵インタフェースであるUSB 1.1経由と、CardBusのUSB 2.0アダプタ経由で性能比較を行なってみました。






2.関連情報/参考文献

[次へ][前へ][目次へ]








3.用意したhardware

[次へ][前へ][目次へ]


性能を計った事もあり、ある程度正確にモデル名を示すようにします。


  • ノートPC 日立FLORA 220FX NP2のPentium III 750MHzモデル
  • 2.5インチハードディスクケース Century CDC25U2/35I左側が上蓋で、右側がHDDを内蔵したケースです。

    尚、このカードのUSBコントロールチップは、lspciの結果NEC製らしい事がわかりました。

    hong:/home/shibata# lspci
    00:00.0 Host bridge: Intel Corp. 440BX/ZX - 82443BX/ZX Host bridge (rev 03)
    中略
    00:0a.0 CardBus bridge: Texas Instruments PCI1410 PC card Cardbus Controller (rev 02)
    中略
    02:00.0 USB Controller: NEC Corporation USB (rev 41)
    02:00.1 USB Controller: NEC Corporation USB (rev 41)
    02:00.2 USB Controller: NEC Corporation: Unknown device 00e0 (rev 01)

  • 2.5inch HDD IBM Travelstar 40GN(IC25N040ATCS04) 40GB 4200rpm

  • USB2.0 CardBus PC Card RatocREX-CBU2



FLORA 220FX NP2
USB1.1インタフェースを内蔵しているのですが、USB2.0は非対応であるため、
CardBusのUSB2.0インタフェース
REX-CBU2
を利用しました。



CDC25U2/35Iへの給電は、USBのバスパワーが基本なのですが、足りない場合に備えてPS/2インタフェースから5Vを取り出すケーブルが添付されています。今回もこのケーブルを利用しました。




尚、
CDC25U2/35I
の中にはHDDのATAインタフェースに接続する小さな基板


が入っているだけのシンプルなものです。

その基板上には

in-system

と書かれたインタフェース変換らしいチップが載っていました。

探してみたところ、CypressのISD300A1のようです。





4.用意したsoftware

[次へ][前へ][目次へ]


4.1 Linux ディストリビューション



どのようなディストリビューションでもいいと思います。

今回はDebian GNU/Linux 3.0(woody)で行ないました。



4.2 linux-2.4.19.tar.bz2 or later



2.4.19からUSB2.0(ehci)が正式サポートされた事もあり、
ソースからmakeしたカーネルを利用しました。






5.性能測定

[次へ][前へ][目次へ]


5.1 ls -lR



USB経由でfsck,mke2fsを行なった外付HDD上に数万個以上のファイルをコピーし
ました。ノートPCにmountした上でmountしたトップディレクトリから


# time ls -lR|tail

を実行した結果を示します。

multi user modeで動作させたままでしたが、
他には特段重たいプログラムは動かしていない状態での測定です。












USB 1.1USB 2.0

real 14m49.500s

user 1m10.140s

sys 0m19.560s


real 9m11.731s

user 1m10.800s

sys 0m20.150s



このテストでは、USB2.0の場合はUSB1.1に比べて約1.6倍高速化されました。

5.2 find and cat



同じく100kbytes程度の数千個以上のファイルがある外付HDD上の
ディレクトリ上で


# time find . -type f -exec cat {} \; > /dev/null

を実行した結果を示します。

multi user modeで動作させたままでしたが、
他には特段重たいプログラムは動かしていない状態での測定です。












USB 1.1USB 2.0

real 24m52.944s

user 1m52.160s

sys 0m22.390s


real 4m7.810s


user 1m52.460s

sys 0m23.360s


このテストでは、USB2.0の場合はUSB1.1に比べて約6.0倍高速化されました。


尚、それぞれのテストはUSB1.1→USB2.0の順番で実施しましたが、
USB1.1のテスト終了後に外付ドライブは一度unmountし、別のmount pointに
マウントした後に測定しています。

また、find & catでのusb2.0でのテストの後にもう一度usb1.1でテストを
行ないましたが、real で3秒程度の差しかなく、ファイルバッファの影響は
排除できているのではないかと判断します。



ディスクを同じくIBMの
Travelstar

シリーズの
IC25N020A
に変更し、Pentium III 673MHz x 2の自作SMPマシンに
GIGABYTEのUSB2.0インタフェースカードである
GC-USB20N
に変更して同じファイル群での性能測定も行ないました

ドライブそのものは一世代前のものなので、性能は低くなるかと
思ったのですが、まずはその結果を以下に示します。








USB 2.0

real 2m7.539s


user 0m8.080s

sys 0m14.160s


CPUパワーがあるのが効いたのか、PCIバスのUSB2.0インタフェースカードが
効いたのか、Note PCにCardBusインタフェースの更に2倍程度の性能に
なっています。





6.いくつかの問題点

[次へ][前へ][目次へ]



CardBusのUSB2.0インタフェースカードは、以前のカーネルではきちんと認識してくれなかったのですが、linux-2.4.19ではすんなり認識しehci-hcdモジュールが組み込まれたのですが、USB2.0インタフェースを利用した後にCardBusを抜去すると、カーネルごと固まってしまいます(^^;

手動でehci-hcdモジュールをrmmodした後に抜去すると問題ありません。

もう少し調査してみようと思います。




7. TODO

[次へ][前へ][目次へ]


7.1 必ずやる


(1)bonnie++などの
ベンチマークソフトウエアを用いて、内蔵HDDも含めた比較を行ないます。


(2)ファイルサイズを変えてみてテストを行なう。

7.2 気が向いたら...


(1)その他のマシンでも測定してみる。
(2)ファイルサイズ別のアクセス結果をグラフの形でまとめる。

7.3 お金があったら...


(1)IEEE1394インタフェースの外付HDD箱との比較をしてみたいが、
箱を買うお金が...



8.謝辞

[次へ][前へ][目次へ]


私がLinuxを使えるようにしてくださったすべての方に感謝いたします。


また、この文書作成にあたっては、JFをはじめとする多くのドキュメントを参考にさせて頂いています。ありがとうございますm(_|_)m


以上


[玄関へ]
[総本店へ]

Last modified: Tue Aug 20 02:43:15 JST 2002