2004年1月5日月曜日

組織の盛衰―何が企業の命運を決めるのか


堺屋 太一の1993年の著作である。


文庫本は1996年に第1版となっている。




食堂店主のくせに食わず嫌いの私は、堺屋氏の事を口先だけのおっさんと思っていたが、本書を読むと、頭がいいんだなぁと感じる。

あっと驚くことは書いていないが、組織論を豊富なバックグラウンド知識をもとに様々な視点から整理している。



また、組織論からは外れるが、日本の経済に関して10年前に種々の予想・分析をおこなっており、本書の中でも「予想通り」の事がいくつもかっかれている。

��まぁ、びっくりする予想はないが、人よりちょっと先に、

��きちんと文書にしているところは評価されるべきだと思う。



尚、本書を読んで内容ではなく感心したのは、


  • 既成概念以外の視点からのコメント
  • きちんとした整理学。複数の軸を考え、その空間の中で空いているところに着目している。
  • 概念の説明と、その説明に対するキャッチコピー(名前を付ける)ことで進めている。

などである。



ゲマインシャフトとゲゼルシャフトと言う言葉も非常に久々に目にしたが、習った当時に今ほどの知識や経験があったらもっと突っ込んだ学習が出来たろうにと思う。

��教える方もそれなりの経験が必要でないと、言葉を教えるだけになっちゃうけどね(^^;



本書の最後の一文を引用してみよう。


本当に「したいこと」「なりたい姿」を見つめる前に、経済的有利さと世間の評判と将来の安心を考えるのは本末転倒、経営の理念を見失う結果になるだろう。

目標を持つのも難しいなぁ。


2 件のコメント:

  1. TBありがとうございました。
    堺屋先生の本、良書が多いですよ。
    是非他の本もお試し下さい。
    ��0年前くらいの本を読むと
    如何に将来を正確に予想していたかが
    わかっておもしろいですよ。

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  2. > 10年前くらいの本を読むと
    > 如何に将来を正確に予想していたかが
    > わかっておもしろいですよ。
    御意。
    企業参謀と続を読んで、そう感じました。

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