原著のSubtitleは "Turning your competitor's strength to your advantage".
翻訳の副題は 「小さい企業がなぜ勝つのか」。
どちらかというと、「柔道」ストラテジーから連想するのは原著のsubstileの方だな。
ハーバード・ビジネス・スクールで教鞭を執る著者が、オールド・エコノミーもニュー・エコノミー(IT系企業)も題材にして柔道及び相撲のアナロジー及びメタファーで語ったもの。
Netscape対Microsoftとか、Intel対Transmetaなども題材に上げられており私も興味深く読めた。
著者がとらえる柔道の極意とは、
・ムーブメント(素早い動き)
・バランス(自然体、押せば引け)
・レバレッジ(どこにテコの支点を置くか)
と言うところのようだ。
私もわずかながら柔道をかじった経験があり、攻めにおいての上記ポイント三つはよくわかる。
しかし、本気の相手が「相撲ストラテジー」で攻めてきたときに守るのは容易ではない。
攻められないように、攻められても正面攻撃を受けての守りにならないようにするための戦略が柔道ストラテジーなのであろう。
尚、本書の中には多くの事例が柔道ストラテジーでのどのポイントに関連する動きなのかと言う観点で語られています。
しかし、著者も後書きの中で
『柔道ストラテジーは比喩であり、他の全ての比喩と同様、強みと弱みを兼ね備えている。
[中略]
フランスの詩人ポール・バレリーもかつて書いているように、比喩と証明を混同するのは愚かなことだ。
しかし、比喩を賢明に選び、[中略]このレトリックはあなたにとって貴重な道具となる。』
と書いており、柔道ストラテジーと言う言葉抜きにしても経営戦略を学ぶものとして役に立つと思います。
原著者には「孫子の兵法」も読んでいただき、
「孫子の兵法でみる企業戦略」のような本も書いていただきたいところ。
��このクラスの学者の方なら、孫子ぐらいは知っているか...
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