2004年6月8日火曜日

養生訓に学ぶ

まず、題名が良い。「に学ぶ」である。


本書の中に入る前に、後書きで知ったTipsをば。
・貝原益軒のお墓は福岡市中央区今川2丁目にあるそうだ。
 最寄りの駅は地下鉄唐人町駅とのこと。なんと近い。
・菩提寺は金龍寺。
・命日の10月4日には貝原家で「先祖祭り」が行われているとのこと。
・NHK人間講座で2001年1月~3月に本書著者による「養生訓の世界」が放映されていた。

さて、本書の中に入ろう。

如何にも古くさい「養生訓」と言う題名である。
しかし、生命体としての人間の過ごし方に関して深い洞察が益軒に有ったことが著者により解説・説明されている。
良くある東洋医学礼賛の書ではない。

しかも、最近の「癒し」やメンタルヘルスに関しても言及している養生訓および益軒の人間に対する認識の深さがすばらしい。

杉田玄白が拓いた西洋医学

(著者によると臓器医学。
臓器という機能単位の集合体が生命であり、各臓器がきちんと動けば、
全体としての生命も万全である。
人間を空間的にとらえる。)
と、私が理解した。上記のように明確に記述しているわけではない。

の考え方とは別に、人間を全体として、時の流れの中での生命としてとらえるところは、妙な神秘さはなく、納得できる。

実際に、身をもって「病は気から」を感じる私としては、日々の養生(予防医学)の観点での「気」について、もっと充実させたいと感じた。

��「気」についての解説も本書で行われている。

古くて新しい養生訓から学ぶとっかかりに読んでみては如何かと。

ps.
養生訓に有る言葉ではないようだが、本書に書かれていて「おー」と感心した部分を引用する。

P.195
『彼の生き方に感心したある僧からその「工夫」を教えてくれと言われたとき、
 杜口は「其工夫といふは、生涯皆芝居なり」と思うことであると答えている。

なるほど。芝居を演じていると思えば、内心からいらいらすることも無かろう。
そして、芝居と同じように人生はいつか幕が下りるのだ。
それまで演じきればこっちのもんであろう。


3 件のコメント:

  1. この本は興味深いです。
    是非、購入してみたいと思います。
    私には少し難しいかな??

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  2. 所々、古語が難しいところがあるけど、
    解説もあるし大丈夫ですよ。

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  3. 古語ですか~・・・
    でも、頑張ってみます。
    感想報告しますね!

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