体験的プロジェクトマネジメント論と言うサブタイトルが付いているが、まさに著者の実体験をもとにした「べき集・べからず集」だと思う。
プロジェクトマネジメントという言葉もない時代から、日本の会社は小集団活動などをベースに現場の知恵が凝縮された「べき集・べからず集」を作成していたと思う。
私も会社に入った当時、設計や製造においていろんな格言集的なものを読んだ記憶がある。
当時、「こんなもの読んでも、良いものが出来るのかな。もっと体系的にまとめたものの方が良いのではないか。」と考えてきた。
しかし、最近になっていろんな体系を学習してきて、「体系やフレームワークを理解することも必要であるが、最終的には行動基準まで落ちてもないと、かけ声倒れになり何も変わらないのではないか。」と感じることが多くなってきた。
本書も、当時の私が読んだとしたら「爺さん、なに言ってんだ。こんな昔の話、役に立つんかい?」と感じたことだろう。
しかし、今読むと個別の事例を多く書いていることにより、別のプロジェクトや業務で具体的な行動基準を定める際に参考に出来るものが多いし、発展・応用させることも出来るようになっていると感じる。
本書の通りにやればうまくいくというもの(十分条件集)ではないが、少なくとも多くの必要条件は書かれている。
何度か、いや何度も読み返して、自分なりの行動基準を書き加えて使いこなして行くべき本であろう。
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