京大式カードの発案者である著者が、
自らと周辺の研究者(KJ法の川喜田二郎氏なども含む)による
勉強技法論・研究技法論の思索と試作をまとめたものである。
つまり、今から30年以上前のコンピュータすらまともにない時代で
如何に効率的に情報処理を行うかの工夫について記述さている。
本の帯にも「情報処理の智恵」「知識の獲得の方法」と書いてあるが
まさにその通り。
第7章の「ペンからタイプライターへ」も、ワープロやPCが無い時代での
効率的な情報入力と「情報の規格化」による情報交換の効率と精度向上を
模索しているものとして興味深い。
著者があと20年後に生まれていたら、真っ先にワープロを使って
情報の規格化を広範囲に進めてアーカイブ(本書のなかではアルキーフ)化を
進めていたことだろう。
その他にも、「研究しただけで論文にまとめなければ研究者として認められない」
ことなどの話から発展して、情報の共有とかナレッジマネジメントに近い話にも
及んでおり、著者の洞察の深さが読みとれる。
他にもいっぱい参考になる部分がある。
特定分野での研究を極めた人は、メタな研究についても深い。
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