2004年2月23日月曜日

無責任の構造―モラル・ハザードへの知的戦略


固いタイトルと文体であるが、結構読みやすい。




本書に出てくる「同調」と言うのは、良い意味だと思っていたのだが、ある面、思考停止と言う意味であることが分かった。
「服従」は屈辱的な状況であるが、腐敗して服従しているという意味では、頽廃して「内面化」するよりは良いのであろう。



集団による意志決定場面での「リスキーシフト」も、結構身の回りであるような気がする。
『本当に大丈夫かいな?』と言うことが、さっくり決まったりする。



『フレーム』ワークと言うのも私がよく使う言葉だが、本書に出てくる「フレーミング」は全く違う意味だった。
double standardや「属人主義」もこの一環かな?



本書を読んで、改めて気がついたのは、

科学的な思考によって得られた機械などの原理の理解という、答えが一つ定まるものと比較して、

もともとそこにある人間と言う自然界の法則に従った心の動きを理解することは、真に難しいと言うことであった。



考えてみれば当たり前なんだけど、最近いろんな体系や枠・フレームワークを勉強していて、
『人間もどこかの枠に必ず収まる・分類可能である。比較的簡単に科学できる。』と勘違いしてしまう自分に気がつき、ちょっとまずいなと思えた。

��どうなんでしょ?

��基本的には、人間の総枠は単純かもしれないが、

��個々には不確定なものがありますよね。



2 件のコメント:

  1. 「モラルハザード」はもともと保険業界の用語だけれども
    ゲーム理論でも有名な言葉です。
    保険がかけてあるから多少無茶をしてもよかろう…
    これが(本来の意味での)モラルハザードです。
    無茶をする人は決して悪意があるわけではありません。
    自然にそうなるのです。
    無責任構造になるというのはゲーム理論からすると
    ごく当たり前のことです。そのために保険屋は
    インセンティブ(何年無事故なら30%引き等)のような
    制度を作るわけです。
    さて無視されてしまうルールには、やはりどことなく無茶
    があるのではないかと私は思います。自然にそうするように
    仕向けられるルールこそベストでしょう。このようなルール
    作りにゲーム理論はヒントを与えてくれるような気がします。
    ゲーム理論に関する書籍をまだ読んだことが無いのなら
    一読をお勧めします。

    返信削除
  2. ゲーム理論関連の本、まさに今読んでいる最中っすよ。

    返信削除